こんにちは、子育てしながらオンライン大学院留学したbubumiです(╹◡╹)先月、無事イギリスの大学院St Andrewsを卒業し、このブログも大きな一区切りを迎えました。旧タイトル「子育てしながらオンライン大学院留学」から新タイトル「働きながら・子育てしながら を叶えるオンライン大学院留学」として、もう少し年内を目処に留学で得た情報を発信できればなと思っています。今回は、これまでジャーナルに論文を載せたことのない学生が、初めて修論をジャーナルに投稿する方法についてお話しします。私の所属した大学院で開かれたウェビナーで学んだ方法をもとに情報をお伝えします!理系分野は全く異なる方法でしたらすみません。文系の言語学、教育学、TESOLといった分野であれば必ず内容が一致すると思うのですが…この方法で私はジャーナルにアクセプトされ、修正をしつつ10月頃国内のジャーナルに発行されるのを現在待っています。海外の知名度のあるジャーナルに通ったわけではありませんが、今回は、学んだ方法を余すことなく共有したいと思います!
という方、ぜひご一読ください!
- 少しでも気持ちがあれば挑戦してみよう!
- ジャーナル投稿で大切なこと
- ジャーナルを探す手順
- ジャーナル投稿の手順
- おわりに
1. 少しでも気持ちがあれば挑戦してみよう!
まず最初に、「自分の論文が本当に価値があるのか?」と不安に思っている方もいるかもしれませんが、必死に文献を読んでたくさん時間をかけて仕上げた作品、価値があるに決まっています!私もジャーナルに載せたい気持ちはあったものの、自信がありませんでした。そこで後押ししてくれたのは同じ学科を少し先に卒業した友人や、同じ学部でドクターコースをとっている先輩でした。友人は、「国内の小さなジャーナルでも良いから出した方が良い。」先輩は、「昔修論を提出したあとジャーナルに投稿しなかったのを後悔している。現在ドクターコースを始めたが、自分の研究の足掛かりを研究のフィールドに残せていないのが残念だ。」と話してくれ、二人とも、「絶対にジャーナルに提出した方が良いよ!」と後押ししてくれました。一方、教授軍たちは現実の厳しさをより知っているからなのか忙しいからなのか、そこまで絶対できるよ!みたいな感じでは押してくれませんでした。この投稿を読んでいる皆様がどういう環境にあるかわかりませんが、押してくれる人がいなければ私が後押しします。少しでも気持ちがあれば、ぜひチャレンジしてみてください!
2. ジャーナル投稿で大切なこと
これは、テーマです!!修論のテーマとジャーナルのテーマが一致すること、です。私が受けたウェビナーで教授たちが強く言っていました。だから、もし最初に応募したジャーナルがアクセプトされなくても、別のテーマがきちんと一致するところに応募してアクセプトされることは、大いにあるよとのことでした。だから、”アクセプトされない=ダメな論文”ではない!ということです。しかし、テーマ以外にも考える要素はあります。
- 読み手の対象(研究者なのか、現場の人なのか、一般的な人なのか)
- ジャーナルのインパクト(Q1,Q2といったQuartilesという指標、H-INDEX)
- ジャーナルのアクセプト率
- 海外ジャーナルか国内ジャーナルか
などです。以下、どのように最適なジャーナルを探し、どのような手順で提出するか紹介します。
3. ジャーナルを探す手順
3-1. 修論の参考文献リストを見直す
修論の参考文献リストを見直して、よく出てくるジャーナルをチェックしましょう。これで、自分の研究のトピックに関係するジャーナルを把握できます。
3-2. ジャーナルについてScimagoで調べる
いくつかジャーナルをリストアップしたら、それぞれについて調べてみましょう。Scimago Journal & Country Rankというサイトをつかってみます。

今回は白い検索ボックスのところに「Asian Englishes」と入力して調べてみました。以下、Asian Englishesというジャーナルを例に検索結果を載せます。

ざっくりした概要を知ります。出版国、いつから発行されていのか、ジャーナルのカテゴリー。H-INDEXは後述しますが、そのジャーナルの有名度、信頼度のようなもので20 h-indexはgood/40 h-indexはoutstanding/60 h-indexはexceptionalで、数値が高いほど、影響力のあるジャーナルです。また、こちらのページに調べたジャーナルのホームページへのリンク(上の画像でいう右下あたり)も載っていますのでそちらもこの後使います。
テーマを確認する
Scimagoのサイトをスクロールするとジャーナルの簡単な概要が書いてあるので、こちらを読んで自分の論文のトピックと合致するかみてみます。

トピックが一致しそうであれば、先程のホームページのリンクから、そのジャーナルのテーマをより詳しく正確に知れるので、こちらも参照します。

ジャーナルのインパクトを調べる
先ほど記したH-INDEXとQuartilesという指標でジャーナルのインパクトを調べます。
インパクト | H-INDEX | Quartiles |
高い | 60- Exceptional | Q1 Top 25% of journals |
40-59 Outstanding | Q2 Journals in the 25-50% group | |
20-39 Good | Q3 Journals in the 50-75% group | |
低い | -19 | Q4 Journals in the 75-100% group |
ざっくり言えば、研究者としてより認知されたければQ1やh-index 60以上のジャーナルに応募せよ、とのことでした。また、ウェビナー担当一人の教授は、インパクトのあるジャーナルに載らなければ読まれることもないから意味がない、とまで言い切っていました。一方でもう一人の教授はもう少し学生に寄り添った視点を持っていらして、そこまで拘る必要はない。発行されることに意義があるし、どんな読み手に影響を与えたいのか、テーマが最も合うのはどこかといった要素を大切にしなさいとおっしゃっていました。ご自身の今後のキャリアによって選択するものが変わってくるでしょう。
Scimagoでどんどん下にスクロールすると、以下のようなグラフが表示されます。各項目にマウスを当てると、Q1、Q2など表示されます。Asian Englishesというジャーナルは、2018-2023はQ1という評価で、2013年や2015年はQ2ということを意味します。インパクトが近年上がってきているということになります。ちなみにオレンジがQ3、赤がQ4を示しています。


私は、初めは欲張ってQ1、Q2に載せたいとも思いましたが、それには自分の論文にかなりの改善が必要だとわかっていました。色々調べるうちに、インパクト関係なく発行して形に残したい。トピックや読み手(日本の研究者や教員に読んでもらって影響を与えたかった)が一番合うジャーナルに応募しよう、ということで新しい国内ジャーナルに応募しました。なので、インパクトの指標は結局は考慮しませんでした。
アクセプト率
アクセプト率は各ジャーナルのホームページに載っています。

ホームページでJournal metricsという項目を探してみます。すると、こちらでは「23% acceptance rate」と表示されています。応募された中で23%がアクセプトされているということです。アクセプト率が低いほど、競争率が高いということになりますので、これもジャーナルを決めるひとつの指標にできます。また、こちらのページには他の情報も役立ちます。
「76 days avg. from submission to first decision」はじめに提出してから平均76日でアクセプトされるかどうか返事がきます。
応募したもののなかなか返事が来ないな、と待ち遠しい時はこちらの日数を確認してみると良いです。
3-3. 修論担当の先生に相談してみる
調べた結果をもとに、どのジャーナルに投稿するかを決めます。迷ったら、修論担当教授にも相談してみましょう。他のより良い選択肢も与えてくれるかも知れません。私は上記のように調べて、これらのジャーナルに出そうと思うのですが、もしアドバイスがあればお願いします。と送ったら、他のジャーナルもリストアップしていただき、結局教えていただいたジャーナルに決めました。
4. ジャーナル投稿の手順
4-1. ジャーナルの編集者にメールする(しなくても良い)
ジャーナルが決まったら、次は論文のアブストラクト(要約)をつくって編集者にメールしてみます。「こんな研究なのですが、こちらのジャーナルに適していますか?」と。これはウェビナー担当の教授方がお話しされていたことなのですが、私はこのステップは省きました。代わりに、質問を送りました。「このようなトピックで論文を投稿しようと思っているものです。質問があり、連絡させていただきました。」と。そうすると、少しアドバイスも貰えてその後のやり取りも円滑に進みました。なくても良いステップかとは思いますが、担当教授の先生方はジャーナルの編集者でもある方々で、質問があれば喜んで答えるからぜひ連絡して、と仰っていました。
4-2. ジャーナルの規定に合うよう修論を編集する
いよいよ編集です。大学院から修論へのフィードバックがあればまずはそこを修正。そして、字数をカットしていきます。ただ削減して元の修論の文体を残そうとは考えず、再編集した方が良いというアドバイスを受けました。では具体的にどのように?修論15,000字。ジャーナルは8,000字だとします。
- 1. Introduction → 2段落ほど残す [論文の5%]
- 2. Literature Review → 新しい10年以内のものに絞り、criticalに短く。[論文の10%]
- 3. Methodology → OntologyやEpistemologyなどはいらない。極力短く。[論文の10%]
- 4. Ethics → ほとんどいらない。Data collection & analysis → 残す! [論文の5%]
- 5. Findings & Discussion → 大事![論文の60-70%]
- 6. Conclusion → 1, 2段落ほどにまとめる。[論文の10%]
- 7. Appendices → 字数には通常含まれない。
のように削減せよ!とのアドバイスでした。これはとても役立ちまして、まずはこれを指標に修論をばんばん短くしていきました。
4-3. 期日に間に合うように送付し、アクセプトの連絡をまつ
ジャーナルのガイドラインをホームページでよく確認し、提出します。通常は提出してから連絡が来るまで2ヶ月ほどかかるようです。上記で示したようにScimagoで平均期間を確認することができます。ちなみにこの間、多少の修正を行うことは可能です。もしもアクセプトされなければ、他のジャーナルに同じ手順で提出することができます。この際、他のジャーナルの選択肢を知らせてくれることもあるそうです。
4-4. 修正依頼が来たら再修正し再提出する
メジャーコレクションとマイナーコレクションがあり、大幅な修正が必要な場合は約2ヶ月後に再提出の期日が定められ、細かい修正のみであればなるべく早く提出という形になります。こちらは、たくさん修正があって当たり前!辛辣なコメントが来てもそんなもの。それをもとに編集すればさらに良い論文になりますので、淡々とこなしましょう。
4-5. 連絡が来て発行を待つ
再提出の後、さらに訂正要請が来るかも知れませんが、あとはメールを見逃さないようにだけして編集者とのやりとりをこなしていけば、発行を待つだけです。自分の研究がついに世に出る瞬間まで間近です!

5. おわりに
以上、修論をジャーナルに提出するステップを私が参加した大学院のウェビナーで得た情報と自身の体験を織り交ぜてご紹介しました。私は大学院入学当初、自分の論文をジャーナルに載せるなんてことは想像していませんでした。入学当初、IELTS試験や大学院の課題の250字を書くのにも苦労していたので、2年後に15,000字の修論を書き上げることがまず想像のつかない大きなハードルでした。しかしオンライン留学2年間を通し、修論をやり切ったあと、少しのやってみたい気持ちと数人の先輩の絶対投稿した方が良いよ!という後押しでジャーナルアクセプトまで辿り着きました٩( ᐛ )وこんな私でもできましたので、今修論に取り組んでいる方、終わった方、もしジャーナルへの提出を悩んでいるようであれば、ぜひ挑戦してみましょう!今回もお読みいただきありがとうございました。ではまた(╹◡╹)

※修論を終えて、今後のキャリアを考える方へ。AXISでは有名コンサルタント企業への転職のご紹介だけでなく、未経験からコンサルタントを目指す方の相談もおこなっています。まずはキャリア診断から。お気軽にご相談ください。
せっかく頑張った修論をジャーナルに載せて、公式の文書にしてみたいけど…自信がないしどうやるか全くわからない!